補修(薄塗り)材料

 最近では、薄塗り作業を、均一に作業しやすいように、糊や骨材を配合してある材料に添付の接着剤を加えて練るだけの材料(この材料は一般に上塗り用であるため、下塗り時は、普通、ひるいしを加えて下塗り材料を作ります。)や、水に接着剤を加え、配合された材料とセメントを加えて練るだけの材料などありますが、従来から良く使用されてきた材料も、参考になればと思い書いて見ましたが、この材料が正しい材料かどうかは、指摘されたこともないので定かではありません。

 補修材料は、作業当日の天候や、湿度により、同じ材料でも、塗った時の乾き具合が全く変わるため、糊加減と、セメント加減で調節して下さい。
 
 下の表は、コンクリート下地の上に塗り付ける材料です。
 石膏ボードや石膏下地の場合、セメントの代わりに石膏を使用して下さい。(下地のサビの出そうな所は、ニスを塗るなど下地処理を忘れないようにして下さい。)
 ALC軽量材や石膏下地など吸水の多い場合、糊を多めにして下さい。
 接着剤の入れ忘れは絶対にないようにして下さい。剥がれてくる場合があります。
 接着剤は、2杯入れた方が、材料は硬くなるのですが、1杯でも吸着検査した結果は、10キロ位あるようで、クロス下地や吹き付け下地では、問題はないようです。

 練り缶は、20リットル丸缶を使用し、一杯に練った場合を表に書いています。1缶で約20平方メートル分位です(糊1袋使用の場合)。

 化学糊は、小袋で市販されている糊を使用(メーカーにより、袋の大きさが多少異なるので注意)。

 接着剤と珪砂は、小さいひしゃくを使用。

 補修用混和材とセメントは、レンガ鏝を使用。補修用混和材の種類により、水を多く必要とする材料がありますが、この材料の場合は、使用量を少なくして下さい。水をよく吸う材料は、収縮が大きい為、特に夏場などは、剥離の原因にもなります。

 ひるいしとパーライトは、ヘルメットを計量に使用。
 

化学糊 接着剤 混和材 セメント 珪砂(8号) ひるいし パーライトA
吹き付け、クロス、ペンキ下地荒塗り 7分目 1杯 2杯 15杯 2杯 2杯   −
吹き付け、クロス下地中塗り 7分目 1杯 2杯 13杯 2杯 1杯半 1杯
吹き付け、クロス下地上塗り 1袋半 1杯 3杯 18杯 1杯   − 1杯
ペンキ下地中塗り 1袋 1杯 2杯 13杯 2杯 1杯 2杯
ペンキ下地上塗り(1回塗り仕上げ) 2袋 1杯 3杯 18杯 1杯   −   −
ペンキ下地上塗り(2回塗り仕上げ) 1袋 半杯 3杯 15杯 半杯   −   −  
タイル下地 7分目 2杯 1杯 15杯 2杯(珪砂7号) 1杯半   −

練り方


 1. 丸缶に4分の1位水を入れ、その中に糊を入れ、すぐに電動撹拌機を使用し、糊を溶かします。
 糊だけ練った場合、早く練らないと糊の固まりが出来てしまいます。

2. 接着剤の原液を加え、混和材も加え混ぜ合わせます。
3. ひるいし、パーライトを加え、少しずつセメントを加えて一杯まで練り、最後に珪砂を加えよく練ります。珪砂は重たい為、あまり柔らかい内に加えると、丸缶の底にたまってしまい全体に混ざりにくいです。

 *− 少量の材料を練る場合は、骨材と糊を袋でから合わせし、使用する分だけバケツに入れ、レンガ鏝を使い、接着剤を混ぜた水を手頃な固さになるまで少しずつ加えて練ります。

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