階段ささら

 ここでは、雨水などかからず、階段土間にも水勾配のない内階段のささら段取りを書いています。

 1番目.ささら幅を仮に100mmとすれば、階段外側に張り付ける定木の厚み分(12mm)出た所から、内側に100mmの所に墨を出し、後はみぞ定木はりと同じ要領で、階段に定木をはりつけます。

 2番目.ささらのかさぎになる部分の幅が仮に30mmとすれば、左図にある階段の定木より30mm下がる、ばか棒を作り、階段一段一段、縦横二カ所ずつ、階段定木より30mm下がった所に印しを付け、鉛筆でその印と印を左右に引き延ばした線を書きます。

 3番目.塗り付け部分の階段側、つら側に接着剤を塗り付けてから、2番目で書いた線に合わせて、定木を切り合わせ、コンクリート釘で止めていきます。
      ささらが仕上がってから、定木を外した時の見ばえがいいように、角になる所は、必ず斜めに切り合わせます。

 4番目.階段つらに止めた定木の上に、かさぎ部分の仕上がり30mmになるように、定木又は幅40mmに細長く切った薄ベニア板を切り合わせ、インチ釘で止めて行きます。
 角になる部分の斜めの先の出は、ばか棒を立ち上がり側から当てて見れば、すぐに分かります。


 階段ささらの段取りに使用する階段外側の定木の代わりに、コンパネに階段仕上げの墨を出し、階段の型に切り取った板を二枚使えばいいような気がしますが、仕上がった階段は一段一段、数ミリ位は大きさや傾きが違うため、ささらの笠木部分の切り付けや角の左右の出が違って曲がったように見えることがあるため、ここでは一段ずつ幅を合わせた方法を書いています。


仕上げ上の注意点
 * モルタルを塗り付ける前に、かさぎ部分の定木やベニア板に水を吸わせておきます。この作業を省けば、木がモルタルの水分を吸い、4番目の板をはずす時、外れにくかったり、その部分だけ水気がなくなり、作業が多少なりとも、しにくくなります。
    

 * ささら外側角の部分が垂れ下がったようにならないように気をつけましょう。


 ささらでも、笠木状ではなく、つら側の壁も塗り回す場合がありますが、この場合、つら側から階段の型に切り合わせた板を打ち付け、階段のボーダー部分を先に塗り付け、大体の形が出来上がったところで、つら側の板を外し、つら側を塗り付けます。

 階段の型板と、階段に1番目に張り付けた定木とは、前後の出も高さも微妙に異なる為、塗り付け箇所によっては板よりも、付加して塗り付ける所と、ちりをみて塗り付ける所が出来るはずです。 くれぐれも角と切り付け部分の左右が水平で、前後が階段本体と架線が合っているか注意して下さい。

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