和室の塗り替えマニュアル

 床の畳を新聞紙かシートでようじょうします、畳を汚さないために、畳をめくってもいいのですが、後に畳を入れた時に壁ぎわの畳と回りぶちの、ちり幅があわなくなったり、畳が入らなくなったりするため、あまりすすめられません。

 もし、どうしても畳をめくって作業する場合は、めくる前に、たたみ一枚一枚のよすみ角に番号を書いたテープを張るなどして、めくった畳を元にあった場所と同じ場所、同じ向きに戻せるようにします。 これは、畳をしいてから、長い年月の間に畳一枚一枚にくせが付いているため、違う場所では入りません。

 壁の古くなった上塗りに、はけで何度も水をつけて上塗りをこさいでみます、上塗りが取れそうならば、パテ用へらなど先の平たい物でこさいで上塗りを落としてゆきます。 次に落とした壁の周りの木など汚れた部分を、きれいな水とはけでよくふき取り、落とした上塗りをゴミ袋に入れます。

古い壁をめくった時、柱など木部分に、さびた古クギがあるならば、さびが上塗りの仕上げに、にじみ出てこないよう、その部分に、ニスを塗りサビ対策をします。

 もしも上塗りがかたくて取れそうになければ、乾いたはけで壁に付いたほこりなどをはたきおとし、4倍位に薄めた接着剤をはけで塗り、1日乾かした後、石膏系薄塗り材で上塗りの下地を作ります。 周りの木に付いた接着剤はすぐに、きれいな水で洗い落とします。特に畳みにはこぼさないように、床のようじょうはしっかりおこなって下さい。

 壁に大きな穴やへこみがあれば、下地用材料のかために練った物で、あらかじめ埋めておき、乾いた後上塗りをかけるための下地材料を塗って下地を作ります。

 下地材料は、上塗りをめくった壁が石膏ならば、石膏系薄塗り材を、土壁ならば土を練った材料を使用します。

 どうしても、土壁に石膏系の材料を塗り付ける場合は、よく水をかけた、古い土の上に新しい土材料を薄く塗り付け、乾かない内に、石膏系材料を薄く塗り付け、1、2日以上乾かしてから、下地仕上げに入ります。

 塗り方は1回目に薄く塗りつけ、少し乾いてから2回目を塗り、塗った壁のちりそうじ(汚れたところをきれいな水を使いはけで何度も掃除すること)を行います。また少し乾いたところで、鏝むらを取るように、壁全体を鏝でなでます。

 塗った壁を乾かしすぎないように、なれないうちは一壁ずつ塗っていきます。

 乾きすぎるようであれば、下地にハケを使い水で、したします。 又は材料を練る前にから合わせで、のりを少々加えるのもいいでしょう。

 ちりそうじは、本来ちりぼうきと言う物を使用するのですが、小ばけでもかまいません。

 石膏系で5日ほど、土壁なら2週間ほど乾かします。この間は、できるだけ窓を開け風とうしをよくして下さい。 

 上塗りを塗ります。 1回目を下地が見えない程度に薄く塗り、少し乾いてから2回目を塗り、ちりそうじをします。 2回目が少し乾いた頃に、押さえ鏝かステンレス鏝で先のやわらかい物、またはビニール鏝でなでて仕上げます。

 下に落ちた材料にはゴミが付いている場合があるので使用しないで下さい。

 床のようじょうを取り除きそうじをします、この時、塗った壁に当たらないよう気をつけましよう。


 塗り替えで難しい事は、古い壁のあくがシミとなり新しく塗った壁にも出てくる事や、古い壁にいきなり上塗りを塗ると、古い壁ごといっしょにめくれてくる事などがあるため、2と3の行程はできるだけ行うことをすすめます。

 綿壁の、めのあらい製品であれば、3の行程をはぶくいても仕上がらない事もありません。


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