階段全段詰め込み仕上げ段取り

1.下地コンクリートに、三倍に薄めた接着剤を塗ります。
   この時、溝定木を張り付けている場合は、定木まで接着剤を
塗ってしまわないように、定木のきわは、小ばけで塗り付けます。

右の図は、溝のない方の壁側、又は内階段の場合です。

2.1番目に、階段板を止めるためのさんぎを打ち付ける所の線を
書きます。
   階段仕上げ墨に、詰め込み用板の厚み分の板をあてて、
全段の立ち上がり側に鉛筆で書いていきます。

3.2番目に、さんぎを上で書いた線に沿って、50mmのコンクリート釘で打ち付けていきます。

4.階段詰め込み用板を階段に置いていき、板の天場が、階段仕上がりに合わせてインチ釘で、さんぎに打ち付け止めます。
   この時のインチ釘は、打ち込んでもかまいません。 これは、板を外す時には、まずさんぎを取ります、この時、さんぎを上からかなづちでたたけば、釘は外れます。 この釘は、板を外し洗う時に抜けばいいです。


階段詰め込み用板作成

 板はそのまま使うならば、出来るだけ化粧ベニア板の使用がいいようです。 板を外すのに楽で使用後の洗いも楽です。 
 作成に手間はかかりますが作業しやすいのは、板に厚めのビニールシートを切り合わせ、ガムテープで張り付けて使う方法です。

 板の高さは、内部階段であれば、水勾配は取らないため、階段墨の立ち上がりの高さと同じ長さでかまいませんが、外部階段であれば、水勾配を5mm位取るため、5mm位は短めに作ります。

 板の幅は、板を外す時、左右に動かしながら外すため必ず、階段幅より少なくても10mmから20mmは短めに作ります。  (ビニールシート使用時は、手前に引っ張れば、ぱらっとすぐ取れます)

 横に打ち付ける板にさんぎを使うのは、さんぎの方が少しでも定木よりも、詰め込み用板のひっかかりとなる為の厚みがあるからです。

 溝が付いた階段の場合の板は、溝まで届く長さでよく、かなり短くも出来ます。

 階段ベニア板にさんぎを二本打ち付けているのは、一本だとどうしても、モルタルを詰め込んだ時に、手前に張って出てくるからです。

 階段ベニア板のさんぎは、端が壁であれば、板を支える壁に打ち付けたさんぎ分より多めに控えて短く切ります。

 ビニールシートを張り付けない場合、段取り前、板に防水剤を塗れば、板は何もしないよりかなり外しやすいです。 これは新しい化粧板以外は、板が外れにくい為です。(普通、乾燥した木にモルタルを付ければ、水吸いが激しい為、焼け付いたように、板からモルタルが取れなくなります。モルタルがかなり固まれば外れますが、階段は綺麗には仕上がりません。) 
 
 化粧階段には、古いオイル(廃油)は、絶対に使用してはいけません。 廃油の汚いあくがにじみ出て消えません。新しいオイルでも多少あくのようなシミが出ます。 仮枠に塗る剥離材はいいようです。

 防水剤、剥離材を塗る場所は、モルタル塗り作業の終わった所はもちろん、左官作業の終わっていない廊下、ベランダでは絶対にやめて下さい。 防水剤、剥離材が、床にこぼれると、油がこぼれているのと同じで、たとえ接着剤を塗っても、モルタルは浮いてしまいます。(引っ付きません)


 
 右の図の右側、壁のない場合は、床に置いた7mmベニア板に自分で階段の墨を書き、ノコギリで切り、階段の左右の出と左右の水平を合わした、一番上の段角から一番下の段角まで、糸を張り、溝側墨の斜めの線と架線が合っているか確かめてから、ベニア板を右側面に釘で止め、もう一度、左右の出を土間墨から、左右の水平を水平器で確かめてから、階段の板を下の図のように止めていきます。

 溝に張り付けた定木と、階段ベニア板の間に、すき間が出来ないよう特に気を付けて、階段ベニア板を突っ張って下さい。


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