レベリング作業


  レベリング作業は、土間に接着剤を塗りレベリング材料を流し込めば、かってに平らな土間に仕上がると思っている人も多いようですが、きちんと土間の段取りをし、固くなく柔くない材料を練り、土間仕上がりの高さに合わせて流し込んでも、なかなか平らな土間にはならないのが現実です。平らな土間に見せるだけでも、けっこう技術がいります。

 レベリングは浮きなどはないのですが、仕上がり表面に水をかけると、割れ目の様な小割れが無数に見られるため、化粧仕上げには向きません。

 レベリングの上の仕上がりが、フローリングやじゅうたんの場合と、長尺シートではシート張りの方が多少てまがかかります。

 フローリングやじゅうたんの場合は、部屋の外部側サッシが付きトロ詰めが終わった後にレベリング作業にはいるのがいいようです。これは造作大工さんの終わった後では、クローゼットなど化粧板の部分に接着剤やレベリング材がかかってしまい汚してしまう点と、各部屋の入り口下部分につく、かまちのちり合わせが難しい点、それに左官作業が一番最後になってしまう点などのためです。 (注意点として、造作前のレベリンク゜作業は、土間の墨が消えてしまう為、必ず土間墨が、わかるよう壁側に引き延ばし印を付ける事を忘れないで下さい。 又はレベリング作業前に、造作大工さんに、立て込みのさん木を床に打ち付けてもらえれば、お互い作業が、しやすいようです。)

 長尺シートの場合は、レベリング表面に大きめのキズなどできていれば、仕上がりのシート表面に出てくるため、シートを張る前に大きめのキズやクギ穴は補修しなくてはいけません。

    ここでは、段取りから仕上げまでを書いておきます。

1.部屋内の壁にレベリング仕上がりの墨を出します。
    レベリング仕上がりの墨は、普通、フローリングやじゅうたんの厚み分低くした所が、部屋内土間仕上がりになっているはずですが、現場監督さんに、レベル墨よりいくら下がった所が仕上がりか聞いてから墨を出します。
    部屋内和室の畳を敷く部分は、特に注意して、決して高くならないように気をつけます。 もしも、すでに土間コンクリートが、レベリング仕上がりより高くなっている場合は、はつりです。  レベリング仕上がりと同じ高さであれば、畳下になる所のレベリング段取りはやめておき、造作が終わってから補修でレベル調整します。

2.掃除をしてから一回目の接着剤を土間に塗ります。
    この接着剤はできるだけ、レベリング用接着剤を使用して下さい。仕上がり表面にピンホールがでにくいようです。 レベリング用接着剤には、セメント系と石膏系があるので、レベリング材料に合わせて使用して下さい。
    一回目の接着剤は、下地コンクリートが、よく水を吸うようであれば、5倍位に薄めた接着剤を塗り、コンクリートが固く押さえてあり水を吸わないようであれば、通常の3倍に薄めた接着剤を塗ります。

3.はつった跡や大きなくぼみがあれば、コンクリート下地に合わせて、モルタル又は薄塗り材を塗り付けます。 これは、レベリング材のつきしろの、多いところか゜、やせてでこぼこになるのを防ぐためです。

4.部屋の間仕切りをする前であれば、入り口部分や風呂、トイレの配管ぶぶんに、レベリング材が流れ込まないよう、定木又はさんぎを打ち付け、レベリング材が外へ流れ出ないよう薄塗り材で定木き゛わを塗ります。

   造作が終わり、部屋の間仕切りが出来上がっていれば、間仕切り下部分や、部屋入り口かまち下部分のすき間部分を、レベリング材が外へ流れ出ないよう薄塗り材ですき間を埋めます。 (一回目の接着剤が乾いていれば、間仕切り下部分などの長い所は、紙テープを張る事もできます。 接着剤を塗る前では、土間にほこりなどがあるためテープが付きません。)

5.レベリング仕上がりの当たりを、仕上がりより2mmから3mm低く下げた所を天場として、2500mm間隔位でつけていきます。(2mmから3mm低くするのは、当たりを、塗りかぶせて、仕上がり表面に、当たりが出てこないようにするためです。

    土間の当たりに使用する材料は、薄塗り材料など、日がたててば固くなる材料がいいです、これは、スチロールなどやわらかい材料では、長尺シート仕上げなどの場合、固い物が、たまたまスチロールの所に当たった時に、シートが破れ穴があくことがあるからです。

    当たりは、両端の壁のレベリング仕上がりに、糸を張ってもいいですし、最近では赤外線水平器を使っている所も多いようです。

6.二回目の接着剤を塗ります。
    一回目の接着剤が乾いてから、2倍に薄めた接着剤を塗ります。
    一回目の接着剤が乾かないうちに、二回目の接着剤を塗っても、接着剤の一回塗りと変わらず、レベリング仕上がりに、ピンホールが沢山できてしまいます。

7.レベリング材を流し込みます。
    袋に入ったレベリング材を現場で練る場合、加える水の分量は、袋裏に書かれている通りにして下さい。この水加減が一番大切です。
    水を加えすぎてしゃぶしゃぶの材料は、仕上がり表面にノロが浮き上がり、フローリングやシートを張るためのボンドが、引っ付きません。
    水が少なく固めの材料は、レベリング表面が、もごもごした状態で平らにならず、もう一度レベリング表面を、補修して直さなくてはいけなくなります。

    現場で袋に入った材料を練る場合は、できるだけセメント系レベリング材の使用を勧めます。石膏系の材料は、水加減がセメント系以上に難しい点や、乾きが早いため、一度に材料を流し込まなくては、塗り継ぎが出来てしまいます。
    練り方は、20リットル入る位の丸缶で練る場合、初めに規定よりも、やや少な目に水を入れ、袋に入ったレベリング材を加え、かくはん機を使い、よく練り回し、固いようであれば水を少しずつ加え、かくはん機を回した状態で、丸缶の上から下へかくはん機を、ゆっくり沈めていけば、真ん中に20mm位の玉が出来る位に水を加えます。練った材料は、骨材が水を吸いきる2分から3分してから、もう一度練り返し、部屋の土間に流し込みます
    レベリング材を沢山使用するようであれば、レベリング材を取り扱っているプラント会社から生コン車、又は現場練り車で持ってきてもらい、左官用モルタルポンプを使い流し込みます。

8.流し込んだレベリング材をならします。
    レベリング材は、キズ補修程度に薄く流し込むだけであれば、壁際など材料の流れていない所を、鏝で材料をおくる程度ですが、付きしろが多いと、壁際を鏝でならし、真ん中の土間は、幅1メートル位のひっかき棒でならさなければ、土間が高くなったりします。ひっかき棒で引っ張った跡はそのままでも、きれいに消えてしまいます。

9.どうしても、多少のピンホールや壁際の下部分を埋めた薄塗り材のクズのような高い所が出来ます。それを翌日けれんします。
    冬場であれば、一日二日固まらず、部屋の中に入れないこともあるので、注意しましょう。
    もしも、大きな部屋でピンホールが沢山出てしまった時は、ポリマーの下部分にペーパー取り付け可能な道具あり、それを使いピンホール部分のでこぼこを削り落とします。


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